2023世界早産児デー | つながり、価値を創るえんがわピープルの物語

2023世界早産児デー

執筆:

いぶきからのコメント

いのちに真摯に向き合っているからこそ、その言葉がたくさんの人を動かすのだと思います。そこに関わることができることを素直に嬉しく思います。
私たちも、できなかったことが走馬灯のように思い起こされて悔しさと無力感にさいなまれることがあります。それでも前を向いて、それでも学び続ける…寺澤さんの言葉を私たちも噛みしめて歩いていきたいと思います。

2023世界早産児デーが今年も終わりました
界早産児デーは11月17日に設定されており、世界中の多くの場所でテーマカラーである紫色を使ったイベントが開催されます。(世界早産児デーの詳細はこちら 

僕がこの取り組みを知ったのは2020年。
静岡県の聖霊浜松病院の大木先生が、病院を紫色にライトアップされたのをFBで見たことでした。
うちでもやりたい、と思ったものの、岐阜県総合医療センターにはそんな照明施設はなく、事務にも相談したものの断念。どうしようかと考えていたところ、岐阜市役所が新庁舎になってLED照明が寄贈された、というニュースを目に。これならいけるかも、でもどう頼んだら良いのかしら?と、困った時にいつも相談に乗ってくれる中島さんに尋ね、岐阜市議会議員の和田さんに聞いてみるのがいい、とご提案。和田さんに相談したところ、関係各所に取りまとめてくださって実現の方向が見えたのでした。
その後いろんな調整をして、2021年、日本の官公庁舎として初めて、1週間にわたる紫色ライトアップが実現しました。2022年は、岐阜市役所ライトアップとともに、Kouzo Gifuの太田さんの賛同により店内での掲示と特別メニューの提供が実現。合わせて、地域の無料配布誌である月刊ぷらざさんの阪田さんのご尽力で誌面でも紹介して頂けました。日本光電株式会社さんの小島さんたちは、店内の素晴らしい展示を助けてくださいました。
 

そしてこの年はもう一つ、「たんぽぽの会」さんが、街中の展示スペースで小さな写真展を開催されました。本当に小さな取り組みでしたが、大きな一歩であり、NHK名古屋放送局さんが報道してくださいました。  

2023年、岐阜県健康福祉部の丹羽さんらがこれらの取り組みに予算を付けてくださるに至り、また、岐阜市メディアコスモスの吉成プロデューサーさんのご理解もあり、たんぽぽの会さんの写真展は、今の岐阜市で最も一般の方々の目に入ると思われる場所での実施ができました。
ただの写真展ではなく、僕の公開トークショーや、小さな赤ちゃんたちの手形足形、小さな赤ちゃんのモデルを抱っこできるコーナーなど、充実した内容となり、NHK東海のトップニュースとしての報道や、岐阜新聞の2度に渡る記事化など、一般の方々にも少しでも知っていただける報道をしていただけました。

  

そして11月17日。 

岐阜市役所とともに、岐阜県庁の初のライトアップが行われ、全ての日程を終えました。
岐阜県庁のライトアップは直前までどうなるか分からない、という状況でしたが、前述の丹羽さんらがギリギリの庁内調整を行なってくれて実現できました。
 

今年度の写真展から昨日までの間に、僕自身も多くの早産児の蘇生をし救命しました。
こんなにも集中的に超早産児の蘇生を連続して行ったのは数年ぶりでした。
 

一方、主治医として2名の赤ちゃんの命を見送りました。 
僕でない誰かだったら助けられた命だったんじゃないだろうか、とも感じました。
まだまだ勉強を続けなければ、助けられない命が出てしまう。
そんな思いで、岐阜市役所と岐阜県庁のライトアップを見ていたら、いろいろ思い出して泣けてきてしまいました。
 

それでも僕たちは、次に出会うかもしれない命のために、学び続けるしかありません。
前を向くしかありません。

次に来る世界早産児デーに向けて、
1人でも多くの小さく早く生まれた赤ちゃんを救うことができるように、
そして支えてくれる社会になるように、
もっともっと勉強して、発信していきたいと思います。
 



この記事を書いた人

2023世界早産児デー | つながり、価値を創る

寺澤大祐

てらざわ だいすけ
岐阜県総合医療センター/新生児内科医長、周産期(新生児)専門医・指導医。
日々赤ちゃんと戯れる仕事をしています。本当は赤ちゃんたちと、きゃっきゃうふふ、とやれたらいいのですが、僕の眼の前にいる赤ちゃんたちは、まだまだそうやって戯れられるような状況にはない子たちばかり。そんな中で日々、その赤ちゃんの幸せを願いながら、医療を提供しています。そんな現場からのお話をお伝えする予定です。

お問い合わせ

えんがわスケッチに、
あなたの未来の風景を描きませんか?

とりちゃん やま