2023.08.08
百々染だより Vol.31~Vol.40
- 執筆:
-
いぶき福祉会
冬の中で咲く華やかなサザンカ Vol.31
日ごとに寒さが増す中、つぎつぎと花を咲かせるサザンカ。
昔から庭木として広く利用され
育てやすく馴染み深い花のひとつです。
晩秋から初冬にかけて咲き
今が見ごろを迎えています。
つばき科のサザンカはつばきとよく似ていますが
花がまるごと散るつばきと違い
1枚ずつ散っていくのがサザンカの特徴です。
また、ほのかな良い香りがして
葉っぱがギザギザとしています。
ところでこのサザンカ
日本が原産地だということ知っていましたか?
江戸時代に長崎の出島にある
オランダ商館に来ていた医師ツンベルクさんが
サザンカを気に入り、ヨーロッパに持ち帰ったことで
西欧に広がっていきました。
そのため、学名、英名、ともに
sasanquaと呼ばれています。
これはとても珍しいことなのです。
今回、百々染工房でサザンカを使って
染めたストールをご紹介します。
花びらで染めるのは前川さん。
サザンカの華やかさを
ぎゅっと閉じ込めたような
鮮やかなピンク色の染液に前川さんもつい笑みがこぼれます。
葉っぱをちぎるのは山田さん。
1枚ちぎってさらにそこから細かくちぎります。
この丁寧さが染液の濃さにつながるのです。
出来上がったストールがこちら。
1番左のストールは葉っぱで染めたストールに
くさぎで重ね染めをしました。
2つの染液を重ねたことで
深い黄緑色になりました。
それぞれのストールが
サザンカのもつ色に仕上がりました。
寒さが増して冬に近づいていくと
動物たちも次の春にむけて準備をはじめます。
花の少ないさびしい冬に
ぱっと咲く明るいサザンカはひときわ注目をあびます。
その明るさは
寒さを忘れさせてくれるほどの華やかさです。
ぜひ、このサザンカから
お気に入りの1枚を見つけてみませんか?
(文/かに)
百々染ストールを身につけて… Vol.32
みなさんは普段、どんなふうにストールを身につけていますか?
わたしたち百々染スタッフは
外出時のおしゃれやお祝いの席などのほか
仕事現場や会議や打ち合わせなど
様々な場面でストールを愛用しています。
百々染のストールのことを知り尽くした私たちスタッフが
普段どのようにストールを身につけているのか
その着こなしやコーディネートのコツをご紹介します。
今回、ストールの着こなしをインタビューしたのが
当法人の北川雄史です。
ストールは女性が巻くものだと思われがちですが
北川さんはいつもTPOに合わせて素敵にストールを身につけています。
そこで、北川さんに普段どんな時に
どんな風にストールを身につけているのかを聞いてきました。
「普段は、講演会や会議など、
人前で話しをする時にストールを身につけています。
その場面の雰囲気に合うように
シャツやジャケットに合わせてストールの色味を決めています」
ここぞ!という時に
百々染のストールが大活躍しているようです。
さらに、色や素材もその時によって選んでいるようです。
「元気を出さなきゃ!という時には
ピンク色のシャツに
ジョーゼット生地のストールを身につけてテンションをあげています」
色や素材の合わせ方だけではなく
どんな巻き方が似合うのかも自身で研究しているそうです。
写真はシャツの襟が少し見えるように
軽く巻いたスタイルです。
ふわりと空気を纏うようなさりげない巻き方で
顔まわりがパッと明るくなりました。
白×グレーのモノトーンなコーディネートも
ストールを巻くだけで明るく華やかになりますね。
ストールを身にまとった時の気持ちはどうですか?
と聞くと、こんな答えが返ってきました。
「元気が出ますよ!
パワーアップするような気持ちになります。
百々染の作り手たちが
いつもそばにいてくれているような気持ちになります」
百々染ストールには作り手の思いがたくさんこめられています。
「ストールは僕のユニフォームです」
と笑顔を見せてくれた北川さん。
女性はもちろん、男性でも顔まわりをパッと明るくしてくれる
とっておきのファッションアイテムです。
肌触りもよくとてもさらりと気持ちが良いので
ぜひ一度巻いてみてはいかがでしょうか?
(文/小松)
百々染ストールを身につけて… Vol.33
前回の特集では
男性職員である北川さんが講演会や会議など人前に出る場合に
その時々の気持ちに合わせた色のストールを巻くことで
気持ちを盛り上げたり、引き締めたり
時には励まされたりすると話してくださいました。
そんな、「ここぞ!」という時に大活躍するストールですが
女性職員の中では普段着に身につけて
ストールをおしゃれアイテムとして使っている方もいます。
まずは、百々染工房のスタッフの笠井さんです。
黒の服にグレーの上着を着用し、服装は比較的ラフですが
首元のピンクのストールが華やかで明るい印象となります。
写真はストールを染めているところです。
仕事をするときは染めの邪魔にならないよう
短めのストールを選んでいると話してくださいました。
また、巻き方も工夫することで、とてもお洒落に見えます。
いつも明るく、元気に仕事をされている笠井さんですが
そのコンディションはこのワンポイントのストールからきているものかもしれませんね。
次は、同じく百々染工房のスタッフの和田さんです。
服は紺色で単色ですが、黄色のストールを巻くことで
ストールがとても良いアクセントとなっています。
ふんわりとストールを巻くことで
綺麗な黄色のストールから
温かくて優しい和田さんの人間性が伝わってきます。
そんな和田さんは、服に合わせてストールを選んだり
ストールの色に合わせて服をコーディネートしたりと
ストールをおしゃれアイテムの一つとして活用していると話してくださいました。
自然の素材から一つ一つ丁寧に作られた百々染のストールは
二つとして同じ物はありません。
おしゃれアイテムの一つとして活躍する日もあれば
落ち込んだ気持ちを盛り上げてくれる日もあります。
世界に一つだけのストールは
心強い女性の味方になってくれるようです。
ぜひ、お手に取ってみてはいかがでしょうか。
(文/やじま)
\集まれ!#百々染ファミリー/ Vol.34
※こちらはもう終了したキャンペーンですが
こういったこともしたことありました。
百々染ストールの投稿で草木染めチーフをもらおう
百々染の公式Facebookで
百々染ストールを身につけた
あなたの写真を募集するキャンペーンを4月28日まで開催します!
百々染ストールが工房で生まれてどんな人の元に届き
そこでどんなストーリーが続いているのか
百々染ストールをどのように愛用されているのかをたくさんの人に知っていただきたいと考え、この企画をスタートしました。
関わっている人全てが家族のようにつながりたいと思っています。
ぜひ、百々染ストールが紡ぐあなたのストーリーを教えてください。
「百々染ファミリー」の印として
キャンペーン期間中に投稿してくれた人全員に
草木染めチーフをプレゼントします。
■「♯百々染ファミリー」になるには?
1. 百々染ストールを身につけた写真を、ご自身のFacebookのタイムラインに投稿してください。
2. 本文の最後にはハッシュタグ「#百々染ファミリー」を載せてください。
3. 百々染の公式Facebookでシェアされたら、キャンペーン参加完了です!
4. 投稿していただいた方全員に、後日、草木染めのチーフを1枚プレゼントします。
これまでも、百々染工房には
ストールを身につけた素敵なお写真とストーリーが多数届いています。
その中から一部ご紹介させていただきます。投稿例としてもぜひご覧ください。
「色・植物、花言葉などが気に入っている」
「こんなコーディネートにぴったり」
「誰かからのプレゼント」など
あなたの百々染ストールにまつわるエピソードをお待ちしています。
過去に撮影した写真でも
この機会に改めて撮影した写真でも大丈夫です。
ご不明な点がありましたら
百々染の公式Facebookのキャンペーンについての投稿がありますので
そちらにコメントしてください。
たくさんのご参加、お待ちしております。
■募集要項
参加条件:百々染ストールを身につけた写真をFacebookに投稿してくださる方
募集期間:2017年3月6日~4月28日
※過去に購入したものでも、期間中に購入したストールでも構いません
■応募にあたっての注意事項
・「#百々染ファミリー」のハッシュタグを忘れずにつけてください。
・あなたの投稿を百々染の公式Facebookでシェアした段階で応募完了となります。誰でも見ることができるよう、投稿のプライバシー設定は「公開」にしておいてください。
・ストール1枚につき1投稿までです。投稿してくださった方全員に草木染めチーフを1枚プレゼントします。
・1投稿内に掲載する写真に上限はありません。
・投稿後、Facebookのダイレクトメッセージでご連絡いたしますので、住所等の情報をお寄せください。
「とっておきの」プレゼント Vol.35
「春」というと何を思い浮かべますか?
入学、卒業、就職、退職、、、
出会いや別れ、1年の中でも大きな節目となる季節ですよね。
お世話になった上司や先輩に
「お疲れ様でした」
「新しいスタート応援しています」
そんな思いを込めて
ストールのプレゼントはいかがですか?
百々染では
ストールが出来上がった「日」を大切にしています。
その日はどんな天気で
どんな人が
どんな雰囲気の中でどんな気持ちで染めたのか。
その日の様子がかかれたカードの裏には
あなたからのメッセージを添えることもできます。
染め手の特別な思いがつまったストールは
特別な人へのプレゼントにぴったりですよ。
誕生日や仕事を始めた日、最後の日。
いくつもある記念日と百々染ストールの記念日。
きっと、ぴったりと重なる日があるはず。
ぜひ探してみてください。
これからの季節ストールは大活躍。
喜んでもらえるアイテムのひとつです。
「これからもよろしくお願いします」
「ありがとうございます」
「頑張ってください」
そんな気持ちと一緒に
百々染のストールをプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
冬の藍染め Vol.36
まだまだ肌寒い日が続いていますが、ひと雨ごとに春めいてきましたね。
さて今回は、「冬の藍染め」についてご紹介します。
百々染工房では、暖かい季節に染めることが多かった藍染め。
今年は、地面も凍るほど寒い季節に藍染めをしました。
こちらは、百々染工房での冬の藍染めの様子です。
藍の染液の温度は、25℃くらいが良いと言われていますが、冬の染液は、手が氷るほど冷たいです。それを温めて使用します。
染液とストールを入れた袋の温かさを感じながら
ゆっくりじっくりもみ込んでいきます。
冬にはこの温かさが染め手にもストールにも
おだやかな気持ちを伝えてくれるようです。
20分ほどもみ込んだ後
寒い屋外での作業に移っていきます。
次は水洗いをします。
冷たい水で洗うことが、ムラなく美しく染めるポイント。
それによって、鮮やかで深みのある色になります。
真冬の水は手の感覚が鈍くなるほど冷たいのですが
染め担当の安藤さんと吉田さんは
ストールの入ったタライを「ジャバーン」と勢いよく流します。
彼らはこの作業を繰り返すたび
鮮やかになっていくストールを見ることがとても楽しみで
寒くてもがんばれます!
こうして染め上がったストールは
深く味わいのある藍色に染まりました。
今回は、冬に染めたおすすめのストールを3本ご紹介します。
染めた日によってひとつひとつ風合いは違いますが
それも百々染の魅力です!
寒い冬に染められた百々染。
身にまとったとき、きっと作り手の想いや
暖かさが伝わってくるでしょう。
ぜひ、心温まるストールを
身にまとってみてはいかがでしょうか。
(文/さかぐち)
母の日に「ありがとう」を贈ろう Vol.37
今年の母の日は5月14日です。
いつもお世話になっている大切なお母さんへ
日ごろの感謝の気持ちをこめて
百々染ストールを贈るのはいかがでしょうか。
百々染では記念日に生まれたストールを贈ることができます。
例えば「お母さんの誕生日のストール」
「初めて母親になった日のストール」などです。
きっと、大切な記念日に
いろどりを添えてくれるプレゼントになると思います。
百々染ストールには
そのストールが生まれてきた風景が分かるストーリーカードが同梱されており
カードの裏にあなたからのメッセージを載せることもできます。
ストールが好きという方はもちろん
あまりストールを身につけないという方にも
この機会に試してみてはいかがでしょうか。
ご縁を紡いで ~みかんとジャムと百々染と~ Vol.38
百々染工房のある第二いぶきには
手作りジャム(りすのほっぺ)をつくる工房の
アトリエほっぺがあります。
その年の気候や収穫時期によって
果物たちの味には違いがあるため
出来上がるジャムは一期一会。
種類ごとに通しナンバーがふられ
もうすぐ400番。
生産者さんとのつながりを大切にして
農家さんが愛情を込めて作った食材を少量ずつ丁寧に炊き上げていきます。
みかんで作ったジャムやシロップ、ピール。
とてもおいしいですよ。
でも、今回のコラムはみかんのジャムやシロップの紹介ではありません。
写真にあるみかんのように
みかんの枝や葉を煮出して作られる染液で染めることはよくあります。
そして、今回は商品が作られる工程で
使わなかった捨てる予定だったみかんの皮。
その皮を贅沢に使って
みかんの皮のみで煮出した染液をつくりました。
みかんの香りたっぷりの染液
工房内はみかんの香りに満たされました。
そして、作業しているみんなはうっとり。
染めあげられたストールを首もとにまとうと
その光景が目に浮かぶかもしれません。
ジャムづくりで捨てられるはずのみかんの皮
ジャムづくりでいただいたご縁を紡いで百々染ストールへ。
みなさんに
このご縁を届けたい。
そんなストールをご紹介。
(文/やまもと)
菜の花と一緒に春を届けよう Vol.39
春の訪れをいち早く教えてくれる菜の花。
広い敷地や道端にも黄色い菜の花が咲いており
身近な花の一つです。
百々染工房で働く作り手のなかでも
染料を届けてくれるグループがあります。
一年を通して出かけ
花や植物を摘んでくるのが仕事です。
そのチームに山田さんがいます。
山田さんは花が好きで
この季節では菜の花を見つけると
「菜の花!」と言って
見つけた嬉しさを伝えてくれます。
菜の花にかけ寄り、夢中で
風にゆられる菜の花を見つめています。
そして、写真のこの日は
袋いっぱいの菜の花を抱えて
今日一番の笑顔が生まれました。
ちぎることも、山田さんの仕事の一つ。
細かくちぎることを得意とし
自信をもって作業し、そして楽しく取り組んでいます。
この作業から、出来上がる染料のおかげで
良い染液が作ることができます。
花弁は明るい黄色、茎は緑色
そこから生まれた染液から染め上げられたストールは
薄い黄色になり、柔らかい印象です。
山田さんの笑顔いっぱいの作業から繋がっていく思いが
色に優しさを与えて、春らしい黄色のストールが出来上がりました。
ぜひ、菜の花のストールを手に取っていただきたい。
きっとこのストーリーがあなたを笑顔にさせてくれると思います。
(文/やじま)
ムスカリ ~通じ合う心~ Vol.40
次第に暖かくなってきてチューリップやスイセンなど
球根の花が咲く季節となりました。
今回は同じように球根から咲く『ムスカリ』を紹介させていただきます。
ムスカリはツルボ科の植物で
その由来はその名のとおり
香水にもあるムスクに似た香りであったため
名づけられたと言われています。
花のひとつひとつは3ミリほどの大きさで
一見するとブドウの実のように見えることから
ブドウヒヤシンスとも呼ばれます。
この香りや姿に魅了される方も多いのではないでしょうか。
花言葉は「寛大なる愛」
「明るい未来」
「通じ合う心」
ととても素敵な意味を持っています。
日本では30年ほど前から出回っていて
近年人気が急上昇となって
公園などにも多く見られるようになりました。
この可愛らしいムスカリが
庭に咲いていたらとっても癒されることでしょう。
今回このムスカリがストールになるまでを紹介します。
吉田さんは、百々染工房の庭で咲いているムスカリを摘んでいます。
このムスカリは昨年
吉田さんが球根から植えたムスカリです。
想いを込め育てたムスカリが
ストールになっていくのを想像するとワクワクがとまりません。
木谷さんは、吉田さんが摘んだムスカリを花と茎に分けています。
この作業が花びら本来の純粋な色を出すための重要な役割です。
「吉田さんが採ってきてくれたムスカリ頑張ってちぎる!」
とすごい意気込みです。
木谷さんからバトンを受け取った前川さんは
ムスカリの染液でストールを染めています。
優しく、じっくり、丁寧に染めていきます。
今回ご紹介させていただいたのは
ストールが出来上がるまでの工程のほんの一部です。
「摘む」→「ちぎる」→「染める」
このひとつひとつの工程に物語があり
1本のストールに凝縮されています。
花言葉の「通じ合う心」まさに
このストールにピッタリの言葉です。
次にこのバトンを受け取ってくれる方に出会えることがとてもたのしみです。
このストールを身にまとった時
きっと作り手たちの想いが伝わってきますよ。
(文/さかぐち)
いぶきからのコメント
色や質感で選ぶのもいいけれど、染料のもととなった植物や、染められた季節、その日の天気や、作り手の表情からも選んでほしい。
同じものは存在しない百々染だからこそ、百々染をとりまくさまざまな「ことがら」や「人柄」から、あなただけの特別な一枚を見つけてください。