2023.01.16
生きるを活かす者の仕事場
- 執筆:
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森真紀
「いい生活者になりたい。」
これは、私の友人が発した言葉です。・・・前回そのような文から始まる投稿をさせて頂きました。
その友人・・・
金属造形作家の角居康宏さんはその言葉通り、卒業後も学生時代から専攻していた金属という素材を活かした作品を生み出すアーティストとして生活しています。
明るく前向きな彼は、長野市の中条という地に、彼が中心となり、クラウドファンディングで古民家を改装したアーティスト工房・中条アートロケーション『場』を開所しました。
それから1年後、同じ敷地内にカフェ『美場』を構えました。自然豊かなこの地で生きるための衣食住を豊かにし、仲間と共に、まさに「いい生活者」として生きています。
しかもそれだけでは終わらず、もう一軒隣に大きな家を借り、フランスのアーティストインレジデンス活動を進める団体、エシャンジャー22とパートナーシップを結び、海外のアーティストも受け入れられる体制、つまり民泊を作りました。
これができることで国内外のアーティストを招いて、地域に新たな風を吹かせることができます。
ある時、地域の小学校の校長先生が、とても面白い場所なので子供たちにここの様子を見学してもらいたいとおっしゃったそうです。
子供たちは、大人が真剣に仕事場でもの作りをしている様子を見て何かを感じるかもしれません。
知ること、興味を持つことは素敵なことです。
彼は老若男女問わず本当に、磁石のように人を引き付ける人で、引かれた人同士が繋がり、彼のおかげでどんどん輪が広がります。
本当に丁寧に衣食住の生活環境を整えて、丁寧に人と関わり、丁寧に仕事に向き合ってきた彼は心豊かな有言実行の人です。
実は今年7月に、彼は岐阜市にあります、 ギャラリーカフェ水の音 にて、ガラス作家の林孝子さんと展覧会を行う予定です。
ぜひ彼の丁寧な仕事を観に来て頂き、手に取って頂けたらと思います。
いぶきからのコメント
いま念願のあたらしい空間づくりの真っ最中の森さん。前号で森さんから「生活者」という言葉を聞いたとき、地面の少ししっとりとした心地よい感触が、両足の裏に伝わってきたことを覚えています。それでよかったんだ…と思えるお話。いぶきも、丁寧に生きてる場所だねとこれからも言い続けてもらえるようにしたいと思います。