『えんがわスケッチ』に寄せて | つながり、価値を創るえんがわピープルの物語

『えんがわスケッチ』に寄せて

 

執筆:

いぶきからのコメント

ひとりひとりに心の底から向き合って、その人を大切にするってこういうことなんだなぁと、森さんが語る「アートの意味」を聞きながら胸が熱くなったことがあります。こんな先生が美術室にいてくれて、救われた生徒さんがたくさんいたんだと思います。新しいチャレンジを始められたばかりの今、感じておられることを聴かせてもらえるのを楽しみにしています。いつもいぶきの価値を再発見させてくださります。

「いい生活者になりたい。」 


これは、私の友人が発した言葉です。

当時、美大4年生だった私は、同級生数名と大学の作業場で、制作活動の合間の休憩時間に 
それぞれの進路について話していました。 
それぞれが、卒業後の具体的な希望先を話す中、一人の友人が 
「いい生活者になりたいんよなー、わしは。」とよく通る声ではっきり言ったとき、 
ビビッと体に稲妻が走りました。 
この人は今、とてつもなく重要なことを言ったぞ、と一気に引き込まれました。 
彼は、就職をしてお金を稼いで・・・ではなく、勿論、これも大切なことです。間違いなく。 
しかし彼は人間の本質に迫ることを言い放ったのです。 


「どういうこと?」
「丁寧に暮らせる人になりたいってこと。」
「例えば?」 
「コーヒー一杯入れるのにも、一緒にいる人、その時その場所、一つ一つの物事所作を大切にしたいってこと。」 


会話はこの後、他愛もない話に変わっていきましたが、私の心の深いところに
言葉が刺さったまま残り続けました。 

5年前にいぶき福祉会の皆さんと出会いました。 


いぶき福祉会の利用者さん、支援をされている皆さんの日日の暮らし、活動の様子は私の心の深くに刺さった場所に、すっとしみ込んできました。
 
衣も、食も、住も、そのすべてを念頭におかれて、その上に、人と人との繋がりを大切にされている皆さんの笑顔あふれる姿・・・。 
ここから私も、先ずは自らが「いい生活者」をいつも念頭において、暮らしていきたいと改めて思うことができました。 


この記事を書いた人

『えんがわスケッチ』に寄せて | つながり、価値を創る

森真紀

もり まき
岐阜市社会福祉事業団/支援員
NO ART NO LIFE
日々の生活の真ん中にアートの炎がゆらゆらと 
心の中に揺らめいている、 
そんな仲間と一緒の空間で創作活動に身を委ねたい・・・ 
そんな仲間を見守りたい・・・ 
そんな私です。 

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とりちゃん やま