小さな隣人祭りの大きな転機 | つながり、価値を創るえんがわピープルの物語

小さな隣人祭りの大きな転機

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いぶきからのコメント

開かれた場所をつくりたいなら、中の人だけでできるはずがない...当たり前のことなのになかなか気づきませんでした。
コロナ前まで28年間続けていた「いぶきふれあいまつり」も、いぶきそのものを開くというよりも、島小学校といういぶきの外の場所での協働でした。(それはそれですごかったのですが)
いぶきそのものをもっとひらかれた場所にしたいと思って相談したのが平塚さん。本当によかったと思っています。
岐阜の小さな隣人祭りは、その名のとおり小さく始めました。職員も一緒に悩み考えられることが嬉しくてたまりません。
この記事を公開する前に、「揺れて迷って気づいてまた進む僕たちの成長のすがたを見せちゃっていいかな?」と相談したら「大丈夫です!」と元気に笑ってくれました。
このシリーズ、まだまだ続きます。

小さな隣人まつりを全5回9月から毎月することになっています。
計画では、次の5回で計画中!しかし、計画は計画なので状況次第で変わるはずです。

9月 パエリア
10月 ピザ
11月 芋煮会
12月 餅つき
1 月 雑煮

9月のパエリアは、初めての開催だったものの、それぞれが関わりたくさん食べることができて私としては、とても満足のいくものになっていた。。。と思う。
パエリアの様子はこちら→「岐阜の小さな隣人祭り vol.1 パエリア編」

10月のピザは、ポータブルのピザ釜を持ち込み、みんなでトッピングをして焼くことにしました。ピザは、以前日光町のお庭でやったこともありとても盛り上がり、日光町の仲間からは、ピザのお姉さんというありがたい称号をいただいている。

1回目のパエリアを経ていぶきの中では、あかねのみんなが面白そうな事をしているというのは、話題になっていたようです。

1回目のパエリアの時は、何をさせるのやという感じだった仲間も、きのこを見ればほぐすのね!ともうわかっていて、ピザのトッピングに使うための、食材を前回同様野菜を切ったり、生地にソースを塗ったりと積極的に参加します。

そしてピザ生地に、トッピングをしてピザ釜に入れて焼きます。

仲間は入れ替わり立ち替わり、活動室から数名ずつピザを作るために外に出てきてトッピングをしてピザが焼けたら戻っていくという流れになっていました。

私は外でトッピングをする仲間を補助する。
職員の古田さんは、ピザ釜でピザを焼くという図式に。。。。

この時、前回のパエリアや日光町でやったピザの日とは異なる違和感があったのです。古田さんはピザ職人となり、私は次々に焼けるピザを運ぶデリバリー役となっていました。ピザのトッピングが終わると、古田さんと私はピザを焼き続ける。それは疎外感という形で現れ、気持ちの中でモヤモヤが残ったのです。

この小さな隣人祭りの目的は、ただ単に食事を作って食べることではない。料理を共に作り、食べ見過ごされていた人と人の繋がりや、一緒に食べておいしいねという会話を紡いでいくことだったはず。

それが、食べる人と作る人で分断されたように感じていました。
なぜ、そうなったのかを考えるといくつか要因のようなものがありました。

  1. ピザのトッピングは、外でしていたものの焼き上がったピザを活動室の中で食べていた。
  2. 一人一枚作ったものを食べ、分配されることがなかった。

このまま、残りの3回の隣人祭りが同様になるのは惜しいと思い、話し合いの機会を設けることにして、私の中に残るモヤモヤと小さな隣人祭りの目的を話しました。

すると、職員の1名から全員に調理に参加させようとした。その結果、全ての人がなんらかの形で調理に参加することができて私はとても満足度が高かった。と言われました。

確かにそうだったのかもしれない。私は彼女がそのように考えていたとは全く想像しておらず。なんとか仲間にいろんなことを経験してもらいたい、楽しんでもらいたいという気持ちがあったのでしょう。

それぞれの仲間に出来ること出来ないことが多く、日々の活動も様々な工夫を凝らしています。当日の調理という場面では、どうしても難しいこともあるのでしょう。
なんらかの作業に関わり興味を持ってもらいたいという職員さんの気持ちもよくわかる。
いつも活動している部屋にいれば、仲間は安心するし介助もいつも通りで行われ効率も良い。それもよくわかる。
安全を考慮するのは大前提ではあり、無難な行動が、いろんな可能性を奪っていることもあるかもしれない。パエリアの会を経て、ほんの少しの挑戦と環境の変化が刺激になり、未知の能力が開く事がわかっていたから、全員がイベントに関わって欲しいと考えたのでしょう。

イベントに参加することはとても大事で、だけど食事というのは、テーブルの上に乗っている料理のことだけではない。それを作る人がいて、食材を調達する、食器を準備する、どんなシーンで、何を食べ、誰と食べるかがとても重要なのです。

小さな隣人祭りでは、いろんな関わり代があります。ポスターを描く、チラシを近所に配る事も大切な役割だ。当日の調理する行為は、ごく一部にしかすぎないのです。改めて趣旨を説明すると。では、次の芋煮会はどうしようかという話題に移りました。

里芋は、いぶきの畑で採れたものを用意して、事前に向いておこう。
いっそ、この日は給食はやめて芋煮とおにぎりを用意しようと活発な意見が交わされました。芋煮会は3週間も先だけど。

楽しい楽しい小さな隣人祭りの始まりです!

この記事を書いた人

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平塚弥生

ひらつか やよい
株式会社Coneru/代表取締役、フードビジネスコンサルタント
食で人と地域のつながりを支える。ふわふわ過激派🍞。岐阜県大垣市で菓子製造業許可付きシェアキッチン 2店舗と食品自販機を運営するフードビジネスコンサルタント。食品自販機専用商品、規格外食品の商品開発を得意とする。
現在、IAMAS博士後期課程在学中、フードコミュニケーション 地域コミュニティについて研究。共に料理を作り一緒に食べるワークショップを各地で開催中。趣味は無人販売探し。

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