2023.12.13
リアル「家、ついて行ってイイですか?」
- 執筆:
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平塚慶一
最近観たテレビ番組
この間テレビを見ていたら「家、ついて行ってイイですか?」という番組がやっていたので見ていました。
人気番組なのでご覧になった方もいるかもしれないですが、テレビのスタッフさんが駅とかで声をかけた一般の人の家に着いていって、お家を拝見しながらその人に生活や人生模様についてインタビューするという番組でした。
最初は何気なしに見ていたというか、「そんな素人の家に上がり込む番組のどこが面白いねん」みたいなひねくれた態度で見ていましたが、意外と面白く、一見フツーに見える人でも様々な人間ドラマがあり、「これ本当かな、やらせじゃないの」(全然素直じゃない)と楽しく見ていました。
この仕事に通じるもの
そんな感じで番組を見ていると、なんだかすごく親しみのある感覚に襲われる瞬間が多々ありました。
よく考えてみれば、私自身の仕事がお客様の家にお伺いし、家具のご提案やお届けをさせていただく仕事なので、やっていることはこの番組と同じようなことをしているよな、と気づいたわけです。
そもそも私自身、この仕事の一番好きな部分の一つにお客様のお宅にお伺いさせていただいた際に、暮らしぶりやその方の人生模様を感じることができることがあります。
家具の配達はそこそこ作業時間がかかる場合も多いですし、ご購入いただく家具によってはお家の中までお伺いさせていただく場合もあります。
そこでお客様とお家のこだわりや内装の相談、天気の話から趣味の話まで様々お話することもあります。
まさにやっていることやお伺いする話はテレビ番組と同じようなことをしているわけです。
配達で出会った女性
そんなことを感じながらテレビを見ていましたら、ふと若いときの東京での家具屋修行時代のことを思い出しました。
世田谷の住宅街の一角にあるお住まいにテーブルをお届けした時にお会いした年配の女性のことです。
その方はお出迎えいただいた時も満面の笑みで迎え入れて頂き、作業の最中や最後の説明の時までずっと笑顔でご対応いただきました。
その笑顔がまた非常に素敵で、20歳ごろの私は衝撃を受けたのを覚えています。
何がどう素敵だったのかはその当時でもよく理解できてなかったのですが、とにかく表情が美しくて素敵だったのです。
それは決して服装が綺麗とか容姿が美しいとか顔立ちが整っているとかそういうことではなく、お婆さんのシワだらけの笑顔が当時の私にとってとても輝いて見えました。
「美しい人間というのはこういう人のことなのかもしれないなあ、僕も歳を取ったらああいうお婆さんになろう!」と感動したことを覚えています。
いつもでも変わらないものの美しさももちろんあるのだと思いますが、重ねていく年月やどのように生きてきたかが自然とその表情からうかがうことができる。
そしてその表情がここまで輝いていると初めてお会いしてもこんなに相手に伝わるのだな、これが「年をとる」ことの魅力なのだなと感じました。
そこまで多くをお話したわけではないですが、私の「美しい」という価値観を変えてくれたお客様との出会いでした。
そういえば、そのお客様のお宅には植物がたくさん置いてあって、木の家具と植物とがすごく似合うおうちでした。
ライムズのお店に長年使える無垢材の家具と観葉植物が多いのは、もしかしたらそのあたりの影響かもしれません。
いぶきからのコメント
素敵な方とたくさん出会っておられるんだなあと思って、はたと。
いろんな方との出会いを、素敵なものにしてこられたんですね。
平塚さんにはいぶきの事業所やグループホームの家具でもお世話になっています。
そこで暮らす人たちの人生を感じながら、見繕ってくださっていると思うと嬉しくなります。
LIMESさんが大切にされる価値観に、いぶきの仲間たちの営みがちょっとでも彩を加えている思うととてもワクワクします。